もっと身近に災害医療
■ 模擬患者のすすめ
防災訓練と言えば消火器の使い方と相場が決まっていて、参加感が乏しいと感じる人は多いことでしょう。
ここで提案です。
パフォーマンス型の地震防災訓練というのはどうですか。
中身は地震で大ケガをしてしまい、救護所に運ばれ、そこでトリアージ判定を受けるという設定です。
ケガのメイクはハリウッド仕込み。
本当です。アメリカのテレビ番組「ER救急救命室」で使われているものと同じものを使います。
実にリアル。どんなものがあるかというと、足のすねを折って骨が飛び出してしまったもの。
階段から落ちて頭から大出血。熱湯を浴びて胸とお腹に大やけど、など。
どれもメイクをし終わるとついつい『エーっ、大丈夫?お医者さんにすぐ行かなくちゃ』と声をかけたくなります。
看護婦さんがメイクをしてくれたのに・・。
参加者はこの変身ですっかり“その気”になります。
『痛みはどうやって訴えたらいいの?』『早く治してくれー!って大声で叫んで暴れて』。
普段は出来ない過激な演技の注文もあります。
その中で特に希望者が多いのが、眼球脱出というケガ。
飛んできたカワラが額に当たり眼球が片方飛び出したという症例です。
これはいつも人気の的です。
こうした準備をするのも、一つには想定される発生現場に近づけたいという意味と、実際のケガを疑似体験するとその患者の扱われ方がよく分かり、災害時の医療が普段とは全然違うことが理解しやすくなるという狙いがあります。
すぐに診る必要があるケガと、判定しても待たされるケガもあります。
なぜ?同じケガじゃないか、痛いのは同じだ。
と言っても一刻も無駄に出来ない重傷と緑タグの軽傷では残念ながら扱いを変えなくてはなりません。
そこが“近距離”で分かります。
それと、演技力が試されるって言われると悪い気分はしないものです。
撮影した映像を見てみると、これは役者の素質がありますね。
ドクターもだまされるところでした。
という話もあるくらいです。
変身できて演技力が試せる。どうですか?こんな防災訓練。
ちなみにケガ人を作り上げる症例は、71件も用意してあります。
冒頭のカットはその一部。
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