進行中
■ 壁にかけたい地図
山を登るとき、平面の地図を見るのではなく、高空からの写真で行く先々のルートが分かったら山歩きも楽しくなるのではないか。そんな思いから作った登山用地図ができあがりました。
石川県と岐阜、福井を県境とする白山を題材にした「超ワイド白山」です。
石川県と岐阜、福井を県境とする白山を題材にした「超ワイド白山」です。
この地図は表の面に特徴があります。使っているのは1枚の航空写真です。天候の安定する秋に撮影された斜め高空からの写真で、そこには自分が登ろうとしてる道が樹木の中をくぐり抜け、やがて開けた場所に到達することや、信仰の道として親しまれているルートが稜線づたいに進み、風景を愉しむには適していることなどが読みとれます。壁にかけておきたい航空写真といった趣です。
しかし地図の目的はそこにはありません。
地図は砂防事業の効果を分かりやすく伝えるために作られたのでした。つまり、登山者が安心して山行を愉しみ、また下流の村々を地すべりや洪水から守っているのは、砂防工事が行われればこそ、というメッセージを送るのが目的です。
土砂の崩壊をくい止める砂防堰堤(さぼうえんてい)や大量の雨やわき水をいち早く逃がす流水路などが山の中にいくつも造られています。歴史的には90年にも及びます。その効果を維持し、不意の出水や台風に耐える構造を造り上げているのが山全体で行われている砂防事業なのです。
地図は砂防事業の効果を分かりやすく伝えるために作られたのでした。つまり、登山者が安心して山行を愉しみ、また下流の村々を地すべりや洪水から守っているのは、砂防工事が行われればこそ、というメッセージを送るのが目的です。
土砂の崩壊をくい止める砂防堰堤(さぼうえんてい)や大量の雨やわき水をいち早く逃がす流水路などが山の中にいくつも造られています。歴史的には90年にも及びます。その効果を維持し、不意の出水や台風に耐える構造を造り上げているのが山全体で行われている砂防事業なのです。
ウラの面は風景写真を使ったガイドブック風の構成です。山の地名には独特の響きと意味がこめられていて、そのいわれを知りたいと思うものがあるものです。例えば「中飯場」や「別当覗(のぞき)」。「中(なか)飯場」はむかし飯場があったところ。つまり工事現場のなごりです。「別当覗」別当谷を目の前に望む場所で、登山道がにわかに開けて眼下に谷が出現します。
ここは巨大崩壊が昭和9年に起きたところで、風景が一変しました。もし時間軸を縮めて、かつてあった事実を場所ごとに連続して再現していくと、白山の登山はさながらハリウッド映画のアドベンチャーものに匹敵します。もちろん恐竜も出てきます。ここの地層は白亜紀のものですし、足跡や歯の化石も出ています。山頂では面白いことが予想されます。普通の山と違い白山には主峰がありません。3つの峰が代表していますが、白山は隆起性の地層に火山が割り込み、それが噴火してできた活火山で、古いところでは10万年前に、また最近では2900年前に最後の噴火があり、現在の主峰群を構成しています。稜線の尖った新しい峰、やや丸みを帯びた古い峰、それらが近い場所に並んでいます。
ここは巨大崩壊が昭和9年に起きたところで、風景が一変しました。もし時間軸を縮めて、かつてあった事実を場所ごとに連続して再現していくと、白山の登山はさながらハリウッド映画のアドベンチャーものに匹敵します。もちろん恐竜も出てきます。ここの地層は白亜紀のものですし、足跡や歯の化石も出ています。山頂では面白いことが予想されます。普通の山と違い白山には主峰がありません。3つの峰が代表していますが、白山は隆起性の地層に火山が割り込み、それが噴火してできた活火山で、古いところでは10万年前に、また最近では2900年前に最後の噴火があり、現在の主峰群を構成しています。稜線の尖った新しい峰、やや丸みを帯びた古い峰、それらが近い場所に並んでいます。
裏面の読み物の中で興味をひかれるのが「動く谷・甚之助谷」ではないでしょうか。
谷が動く。文字通りそうなのです。地すべり地帯と言われているように、ある地域では毎年下流に向かって20センチほど移動しています。それが調査を始めた昭和30年代から今日までずっと続いています。もちろんその上には登山道があります。主要ルートの中間区域が谷の移動に伴って地層ごとずれているのです。
ボーリング調査やGPS測量で分かった事実を通じて今回は普段知られていない砂防工事の側面を紹介しました。そうした事実からきっと普段は味わえない興味と驚きを見つけるに違いありません。
谷が動く。文字通りそうなのです。地すべり地帯と言われているように、ある地域では毎年下流に向かって20センチほど移動しています。それが調査を始めた昭和30年代から今日までずっと続いています。もちろんその上には登山道があります。主要ルートの中間区域が谷の移動に伴って地層ごとずれているのです。
ボーリング調査やGPS測量で分かった事実を通じて今回は普段知られていない砂防工事の側面を紹介しました。そうした事実からきっと普段は味わえない興味と驚きを見つけるに違いありません。
この地図はまもなく公開され、最初の印刷分は地元の教育関係機関に配布されることになっています。
企画は国土交通省金沢工事事務所が、制作プロデュースは博報堂が、執筆と構成はアサヒカコーが担当しました。
企画は国土交通省金沢工事事務所が、制作プロデュースは博報堂が、執筆と構成はアサヒカコーが担当しました。