トリアージ(災害医療入門)  アサヒカコー(株) 小林 一郎

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■ 「第二回トリアージ市民講座」
市民講座参加者 市民講座講演者
第二回となるトリアージ市民講座は8月28日、静岡市のアイセル21で行われました。 会場の大ホールには災害医療に関心のある一般市民、それに過去にトリアージ訓練を実施した町内の関係者ら100人あまりが集まりました。 マスコミの取材もありました。 地元NHK静岡放送局です。 夕方放送されているローカルニュースに市民講座が取り上げられることになり、出席者を代表した大村純医師がインタビューに対応しました。
NHKの取材 インタビューを受ける大村純医師
今回の主旨は、トリアージの浸透状況の確認と、町内で実際にトリアージ訓練を行う際の課題を検証することにありました。 詳しいリポートは次回以降にゆずるとして、講座そのものは極めて盛況でした。 特に、トリアージ訓練に参加した町内からの感想と意見は、今後の普及活動に欠かせない中心的なテーマとなることが分かりました。
トリアージ訓練体験発表1 トリアージ訓練体験発表2
災害医療は、その意義がようやく一般社会に広まり始めた段階です。 普段の医療とどのように違うのか、なぜそうなのか。 またけが人・患者となる市民には何が求められているのか、そこがまったく空白となっていました。 こうした市民講座を開く意味は、本来極めて重要な情報が行政からは伝えられない現状を改善することにあります。 災害医療に精通している専門家がいるのなら、その人が市民に向かって何が問題か、何を知って欲しいかを分かりやすく伝えればいいはずです。 可能ならその場に別の専門家も参加して、それぞれの専門分野から災害医療の特徴を噛みくだいて表現すればいいはずです。
しかし私たちの活動も、トリアージビデオの制作に始まり、その普及活動、トリアージ訓練の実施、連絡協議会の発足と、まだ緒についたばかりです。 意識の中心は「トリアージ」という言葉の意味や内容、その必要性などにとどまっています。 今回はようやくその初期段階を一歩駆け上がったというところでしょう。 少なくとも静岡市内に拠点を置く民放の報道内容や回数、時間量などからは、私たちの身の回りの命と安全がどのようになるのか、だれが主役なのか、そこが真剣に問われだした兆候が見えていますし、市民の参加も格段に増えています。
災害情報CDの頒布
詳しい報告は次の機会にまわします。 ただ、確かに言えることは、市民は実際に訓練に参加すると様々な手応えを感じます。 それが、自分が感じる疑問や課題の解消につながるのかという不安も同時に抱きます。 しかしそれはハッキリとした方向性のある疑問であると私には感じられます。 つまり、やるだけの意義があるものだから、そこに本質的な問いかけも生まれ、同時に自らも意見をまとめあげ、それを多くの人たちに語りたいと願うのです。
マスコミも災害医療に関心を示し始めています。 阪神大震災で大きな課題として浮かび上がり、その後の救急医療で苦い経験が克服された事例もあります。 それはわが国の悲劇ではありましたが、国際的な貢献にもつながりました。 海外の地震国での人命救助、災害援助などでの貢献です。
災害医療は、近代社会の一つの隠れた課題かもしれません。 個人の意思疎通が希薄になりがちな状況で、それを謳歌している社会が個人に突きつける試練です。
トリアージは、そうした意識の空白を気づかせる一つの練習課題です。 シミュレーションは未来を裏切らない。そう信じて安心と安全を考えてみきたいものです。
2004829