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■ 市民が行政を動かす!
静岡市で行われた第三回トリアージ公開講座ではクラッシュ症候群という地震災害時に起きる外傷が報告されました。 柱や壁など重いものに押さえつけられていると人の身体の筋肉部分は2-3時間で組織が壊れ、それが体内に循環すると致死的状況になるというものです。 阪神・淡路大震災では救出後、家族の目の前で亡くなる例や病院に運ばれて措置を施すこともなく亡くなった例が沢山あります。 当時は医療措置が分からず、とりあえずICUに運び、出来うる最大級の治療が試みられました。 死因は筋肉組織が壊れることによるカリウムの大量流出や腎臓の機能停止でした。 挟まっていた物をどけることにより血液が循環すると、大量のカリウムが心臓を瞬時に止めます。「良かった、助かった」と言って瓦礫の中から救出された瞬間、駆血が始まり、それがケガ人の命を奪うのです。 腎臓の機能停止は血中の不純物が濾過装置の腎臓に目詰まりを引き起こし、老廃物の排出を困難にします。 いずれも発災から2時間以内に救出し、最適な治療が行われない限り命の保証はないとされています。 まさに時間との勝負、1分1秒が生死を大きく左右する外傷です。
公開講座の後、出席していた荒川区西尾久の川島さんは講座の内容と当日配布された小冊子を荒川区に持ち込みました。 クラッシュ症候群があるということ、救出したら病院で人工透析をするしか助けようがないこと、大量の水が治療には欠かせないこと、それらを伝えたのです。 反応がありました。荒川区では災害医療のあり方を学びたいと申し出てきたのです。 町内の住民が組織する勉強会で、クラッシュ症候群を解説した安田医師を招き、改めてその疾病の特徴や対応策、知ることが救命に通じることなどを講演してもらうことになりました。 平行して医療関係者の間では人工透析の設置を増やせないか、その検討も始まっています。
地域と行政、住民が提案する新たな形式。 災害医療という視点はそれらを実のある方向へと導こうとしています。 荒川区の試みはどんな反響を投げかけるのか。共に歩みながら見つめていきたいと思います。